物語られない私の物語
私が考えもしないようなことを、淡々と口にする。
それに、彼の言葉で、少しずつ、気持ちが楽になっていくみたいだ。
「余計なことかもしれないけど、僕、その人に気持ち伝えたほうがいいと思う」
「え、むり!」
「そう?でも、きっと伝えたら、今より楽になれると思うよ?」
じっ、と私の目を見る吉澤くんの目は、柔らかくて優しかった。
・・・・でも、気持ちを伝えるなんて、今更だよ
「・・・だけど、怖いよ。はっきり、断られるの。だってわざわざ面と向かってフラれに行くようなもんでしょ?それに私が好きって言ったら、今までの関係のまま、いられないかもしれないじゃん・・・!」
「フラれに行くっていうのは、間違いだな。この場合の告白って、気持ち伝えて、吹っ切れて、次に進むためのステップだと思うから。」
「うん、」
「それにね、もう、関係が変わるかもなんて恐れる必要もないと思う。きっと、気まずくなりたくないっていうのは、お互い様だから・・・」
だからきっと、うまくいく
そう、吉澤くんは言葉を続けた。