物語られない私の物語





私は、瑞季の隣の席に腰を下ろした。



「どうしたの」



きょとんとする目の前の王子様はまだ、私の気持ちに気付いていない。

それはもう、腹が立つほど能天気な顔だ。


瑞季なんか、私の長年の想いを知って、困ればいいんだ。



「あのね、瑞季・・・」



ばくばくばくばく



「私ね、」



ばくばくばくばく



「ずっと・・・・」



ばくばくばくばく



「瑞季が好きだったんだ・・・」




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