青い嘘とブルーなKISS
ネットで知り合った相手と気軽に寝るような女だと思われただろうか?



そんな心の声を聞かれたかのようにセナが言葉を投げ掛けてきた。




「いつもこんなことしてるの?」

「初めてだよ」



「今日はじめて会ったのに?」

「うん」




「そう言えば熱は?」

「誰にでも体温はあるじゃん」




「そういう問題なの?」

「どうでもいいじゃない。そんなの」



私がそう言い放つと二人はもう一度強く抱き合い、「3度目」の唇を重ねながら、「1度目」の身体を重ね合った。



二人の呼吸が大きく乱れ、セナの愛くるしい表情を近くで見ると、まるで行き場を失った神使がワガママを言う子供のようにも見えた。



疲れ果てた二人はベッドに倒れこみ、セナはポケットから煙草を取り出し火をつけた。



「煙草吸う人だったんだね。」

「うん」



「知らないことばかりだからしょうがないけどさ。」

「うん」




「そう言えばいくつなの?」

「タバコが吸える歳だよ」



汗が混ざり合ったセナの心地良い体臭をタバコの煙が打ち消すかのようで、なんだかすごく勿体ないような気分になりながらも、結局タバコの火が消える頃でも隣で寝ているセナの匂いが私には限りなく届いていた。



どんな匂いと言われてもすごく懐かしいような、それでいて甘すぎない感じ。


何の匂いだろう?と記憶を辿るためにそっと瞼を閉じ、彼の匂いを堪能する。
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