罪線〜an imitation〜
自分の中で半ば諦めていたせいか、助けるという言葉がなかなかピンと来ない。


「助けられるのか?」


「あぁ、まだ生きてる」


この言葉を聞いて、俺の心に希望の兆しが見える。


「どこにいる?!」


「お前が思ってるよりも近くにいるはずだ」


元々簡単な思考から、即行動に移す事のない俺だが、その時の行動は直感的であり、衝動的。

……俺は何も考えずに、自分が手をあげた、白い布を被せられた女の元へと向かった。


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