罪線〜an imitation〜
ミカがが待っているであろう部屋。そこへと繋がる階段を昇ろうとした瞬間、大きな手が俺を掴む。


「オイ待てよ!まさか、今この状態で行くのか!?」


柴田が焦った様子で、俺に問い掛ける。


「あぁ。何だよ?」


俺は色々な考えが頭の中で渦を巻き、軽く錯乱状態にあるのだろう。

柴田がこんな事を口にした。


「お前バカか?今このタイミングで平岡が帰って来たらどうする?お前も女も終わりだぞ?!」


まさか、見るからに単細胞そうな柴田に言われるとは思ってもみなかった。

俺は完全に冷静さを失っていたのだ。


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