罪線〜an imitation〜
確かとは言い難いが、ミカも今の俺と同じ様な気持ちで接していたのだろう。

それが当たり前、普通の事だと思い、今まで俺は過ごしていた。

そんな今までの俺が弱く、脆かったのだ。

他人の気持ちとは対象的に、確かに解るのは自分の気持ち。


「俺はミカを助けたい」


それに気付いた瞬間、彼女に上げた右手の掌がじわりと湿り、痛みに鈍感な俺の心が、ぐっと苦しくなる。

これは彼女を救うだけでは和らげる事が出来ない。


「謝らなくちゃな」


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