罪線〜an imitation〜
俺の友達と同じ名前だと言う少年、シュウジ。

シュウジに、何故俺が此処に連れて来られたのか、何故ここに捕われているのかを話すと、彼は些か安心した模様で俺に話した。


「じゃあ、お兄ちゃん悪い人じゃないんだね?」


それはどうだろう……元々の思想、俺がここに連れて来るまでは、こちら側の人間であったのは事実。

しかし、今この時点ではそれを伏せて置く事が賢明か。


「あぁ、もちろん。キミと俺は一緒だ。だから安心していいよ」


こう答えるのが正解だったかどうかは解らない。

が、正解に近い解答である事に、違いはないらしい。

シュウジは一つ、大きな息を吐き出すと、頬を緩めた。


< 111 / 161 >

この作品をシェア

pagetop