罪線〜an imitation〜
「よかったぁ〜……」


ホッとして、また涙ぐむシュウジを見て、何故だか俺も安心してしまう。

その理由はきっとこうだ。

……こんな状況の中、子供だからといって信用は出来ない……。

が、どうやら俺の思い過ごしだった様だ。


「お兄ちゃん、一人なの?さっき僕を連れて来た平岡って人が、ここには仲間がいるって言ってたけど……」


「いや、一人じゃないよ。本当はもう一人、平岡の仲間で柴田って人がいるんだけど、その人は……」


の後には


「俺達の仲間だ」


と続けるつもりだったが、言葉を飲み込んだ。

どこで平岡が聞いているか解らないからだ。


「その人は今コンビニに言ってる。買い物にね」


「へぇ……そっか」


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