罪線〜an imitation〜
それでも俺とシュウジは、そこら辺の生温い関係ではない。

しかも、これから何時間、何日、何週間と共に過ごすやも知れない仲間。

……それなら少し踏み込んで聞いてみようじゃないか。


「何で……死んじゃったの?病気?」


「殺されたんだ」


……同情。

今まで、誰が死んだか、それがどの様な人物であったか等には興味も持たなかった俺。

その事件の凄惨さしか追求していなかったが、生まれて初めて、目の前にいるシュウジの母が殺されたという事の悲しさに目を向けた。

それもここに来てから芽生えたもの。運命というものが本当にあるかどうかは解らない。が、今はそれに感謝しよう。


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