罪線〜an imitation〜
視線を感じる。
自分が来た階段の上、シュウジが怯えながら、こちらを凝視している。
「……ケンジお兄ちゃん……」
必死に発した声を聞き、俺は階段を駆け上がる。
シュウジの前に立ち、何とか励まそうとするが、なかなか言葉が出て来ない。
「俺が守る」
自身がない俺に、こんな気休めは言えない。
「大丈夫。絶対大丈夫」
これも根拠がなく、声にはならない。
では、どうすればいい?
今まで無機質に、淡白に過ごして来た人生。大きな後悔が、波の様に押し寄せてくる。
何と無力な事か。
自分が来た階段の上、シュウジが怯えながら、こちらを凝視している。
「……ケンジお兄ちゃん……」
必死に発した声を聞き、俺は階段を駆け上がる。
シュウジの前に立ち、何とか励まそうとするが、なかなか言葉が出て来ない。
「俺が守る」
自身がない俺に、こんな気休めは言えない。
「大丈夫。絶対大丈夫」
これも根拠がなく、声にはならない。
では、どうすればいい?
今まで無機質に、淡白に過ごして来た人生。大きな後悔が、波の様に押し寄せてくる。
何と無力な事か。