罪線〜an imitation〜
それから一分が経過したか、してないかという頃。やっとの思いで出て来た言葉は、脅しにも似た言葉だった。


「奴らに逆らわなければ、こうなる事はないよ」


何という事だろう。これでは、以前柴田から聞いていた、奴らの言葉と同じではないか。


脅しにも似たというのは、些か甘いかも知れない。

これは完全なる脅しだ。

しかし、こうする他、仕方が無かったんだ。

それなら、この事を胸に刻み、絶対に何とかすると誓いを立てよう。

俺はシュウジの頭に手を乗せ、不自然な笑顔を見せた。

するとどうだろう。

シュウジが見せていた不安は影を潜め、にわかに笑顔が浮かんだ。

これでいいんだ。

……これでいい。


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