罪線〜an imitation〜
先程の様に、玄関を確認しようとしたが、今回は明らかに人が入って来た気配。

それに併せて、階段を上がってくる音。

身体がピクリとも動こうとしない。

……ギシ……ギシ……

階段の軋む音。

否が応にも恐怖心が煽られ、脈拍数が急に上がる。

……ギシ……ギシ……

溢れ出しそうな俺の感情がピークに達した頃、部屋のドアが開いた。


……ガチャ……。


ドアが開くと共に現れた人物。……それは、俺が今最も恐怖とし、脅威に感じている男だった。


……平岡だ。


……何が起こるのだろう。

……何をされるのだろう。

想像もつかない事だが、この男が現れたということ、それは俺にとって良い意味を示さない。

それだけは断言出来る。


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