罪線〜an imitation〜
「キミが勝ったらキミを解放してあげよう。その代わり、彼女は死ぬ。キミが負けたらその逆だ」


この男は何を言っているのか。

支離滅裂な言葉に腹が立つ。


「そんな馬鹿な話を俺が飲むと思うのか?」


そう言い放ち、振り返ろうとした瞬間、俺の首筋に悪寒が走り、それと同時に針の先端が当てられている様な感覚を覚えた。


「勝負、受けてくれるよね?ケンジお兄ちゃん」


「シュウジ……何をしてるんだ?!」


シュウジが持っている、刃物と思われるソレは、確実に俺の急所を抑えていた。


「シュウジ?違うよケンジ君。この子の名前はコウタだ」


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