罪線〜an imitation〜
「じゃ、行ってきます」


俺は、きっと何かを求めているんだ。家の中には存在しない、普通じゃない何かを。


まぁ、家を出たところで、学校という更なる平凡が待っているだけなのだが……。


「ケンジ!おはよ!」


出た。普通を望まない俺ですら、堪える事の出来ない混沌。


ミカ。


「ニュース見た?酷い事する人もいるもんだよね!家族の人も可哀相に……」


なんだろう……。

自分と全く違う、被害者に感情移入出来るタイプの彼女を見ると

図り知れない程の虫ずが走る。


「あぁ、可哀相だな」


< 13 / 161 >

この作品をシェア

pagetop