罪線〜an imitation〜
結局そのラウンドは、ダメージすら受ける事なく完勝。

普段なら、完璧に成されたゲームメイクに、快感すら覚えるはずだが、何かこう……違和感が残る。


「アンタ全力でやってるのか?」


そう問い掛ける俺に、またしても平岡は意味深な言葉を言い放つ。


「解ってないね。キミは何も解ってはいない……」


「どういう事だ?」


俺は平岡の言葉が、いまいち理解出来なかった。

それどころか俺は、俺は俺自身の事を一番良く理解している……という反感すら持っていたのだ。


しかし数十秒後、平岡は、俺以上に俺の事を理解しているという事実を、まざまざと見せ付けて来る事となる。


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