罪線〜an imitation〜
「ケンジ君。まぁ気にする事はない。さぁ、第二ラウンド開始だ」


気にするななどと、よく言えるものだ。気にさせたのは平岡だ。

しかし、四の五の言っても仕方なく、第二ラウンドは始まる。

平岡の言う通り、気にせず終止符を打たせてもらおうじゃないか。


「平岡さん、アンタさっきから何も仕掛けて来ないな。ビビってんのか?」


すると、こちらの挑発に乗った平岡は、それに触発された様に攻撃を仕掛ける。


「掛かったな……」


こうなればもう平岡に勝機はない。俺が放ったジャブが入ると、そこから繋がる様に攻撃が次々と決まる。

相手の体力がみるみるうちに減少。あと二、三発でフィニッシュという時……


事は起こった。


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