罪線〜an imitation〜
平岡。そう、この男を何とかしなければ、この悪夢に終止符が打たれる事はない。


「全く、キミという奴は……死んだと思っていたらノコノコと出て来て、揚げ句の果ては、この勝負に水を注そうと言うのかい?」


何を言うか。元々ミカを人質に取り、勝負どころではなくしてしまったのは平岡の方だ。


「柴田、解るかい?僕は今までケンジ君を屈辱に満ちた顔にする為だけに生きて来たんだ」


本音はそれ。ハナから勝負の事など、どうでも良かったのだ。

……と、そこで俺はある点に気が着いた。

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