罪線〜an imitation〜
「そうか……そうだったんだ……」


今まで感じていた違和感。それを解く鍵が、突如として俺の前に転がりこんだ。

それは非常に簡単なモノで、今まで気付かなかった方が不思議と言える。

灯台下暗しというやつだ。


「平岡ぁ、もういいだろ?……ハァ……ハァ……」


左手の薬指は落とされ、身体中血だらけの柴田が、息も絶え絶えに言う。


「何を言っているんだい?僕の復讐はまだまだこれからだよ?死人がよく喋るものだね」


平岡がそう言うと、柴田は下唇を、グッと噛み締める。

しかし、平岡の言う事も一理ある。このまま喋り続けては、柴田の命が危ない。


「柴田さん、もういい。喋らないでくれ。後は俺が終わらせる。全て終わらせるから」


すると柴田は驚いた表情で、こう言った。


「終わらせる?そんな事出来るのか?」


「あぁ、全てを終わらせる鍵を見つけたんだ」


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