罪線〜an imitation〜
第二章

橋浦ミカ

「……ミカ……ミカ!」


一人部屋に閉じこもり、夕食を取っていると、私を呼ぶ母の大きな声が聞こえる。


「たまには下でご飯食べなさい!」


「いいよ。一人で食べるから」


「そんな事言わないで!久しぶりに父さんも早く帰って来たんだから!ね?」


……めんどくさ……


「は〜い……」


私が渋々下へ降りると、仏頂面で父が構える。


「……」
「……」
「……」


呼んだ割に交わす会話は何も無く、用意された食事だけが減って行く。

この雰囲気が嫌なのよ。


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