罪線〜an imitation〜
そこから15分程経ち、私が夕食を終えようかという頃、塞きを切った様に父が口を開く。


「勉強はどうだ?」


久しぶりに声を聞いたと思ったら、そんな話題しか出ないの?


「どうって……普通だけど」


「最近成績落ちてるみたいじゃないか」


私の事なんか何も知らないくせに、そんなところばかり知っている。

勉強だけが大事なの?

いい大学に入って、卒業して、そんな肩書だけが大事?

私はそうは思わない。


「はぁ……下りて来るんじゃなかった」


私が肩を落としてそう言うと、より一層重い空気が流れる。


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