罪線〜an imitation〜
私が振り向くと、そこには十才になるかならないかくらいの男の子が立っていた。


「キミ、一人でどうしたの?おうちに帰らないの?」


「うん!ボクね、人を探してるんだぁ!」


人を……?


「お友達を探してるの?」


「ちがうよ。ボクが探してるわけじゃないんだ。お兄ちゃんの代わりに探してあげてるんだよ!」


「へぇ……どんな人?」


「今、高校三年生くらいで、すごくゲームが上手い人なんだって!お礼をしたくて、ずっと探してるんだ!知らない?」


ゲームが上手い高校三年生……数え切れない程沢山いるだろうけど、一応心当たりはある。


「私の知ってる人で一人だけいるけど……お礼って?」


ハッキリ言ってその人は、誰かに恩を売る様なタイプじゃない。


「え?!ホントに?!お兄ちゃんに詳しく聞かせてあげてくれないかなぁ?」


「え?……うん、いいけど……」


――


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