罪線〜an imitation〜
――それから20分程でケンジはやってきた。


「よっ!悪いなケンジ!」


「……シュウジ。悪いけど今日あんま時間ないから……ホラ、五千円」


ケンジは、相変わらず顔色一つ変えずに金を手渡す。


「そっかぁ……しょうがねぇさ!気にすんなよ!」


むしろその方が都合いいしな。


「五千円ありがとな!一人で遊ぶから帰っていいよ!」


俺がそう言うと、ケンジは言葉の代わりに冷たい表情を残して振り返った。

そんな目で見るなよ。俺だって闘ってるんだ。


罪悪感と。


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