罪線〜an imitation〜
「……よぅし……来い!来たぁ!」


ケンジが去ってから、ものの5分で狙っていた景品が取れた。

今人気のキャラクター。ケンジが言う様に、これのどこが可愛いのかは解らないが、女には可愛く見えるのだろう。


感性の違いというもんだ。


「やべ……もうこんな時間かよ!」


ゲーセンの壁に掛けられた時計を見ると、すでに夜の9時を回っていた。


彼女の両親は非常識を嫌う。まぁ、それはどこの家庭でも当然の事だが、ユウカの家は特別だ。

急がないと……。


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