罪線〜an imitation〜

山中ケンジ

何気ない授業。

何気ない放課後。

何気ない帰り道。

何もかもが何気なさ過ぎる。いつもなら後から追い掛けてくる、めんどくさい男がいない。


「まぁ、これが普通ってところか」


そう自分に言い聞かせてはみるが、やはりどことなく落ち着かない。


「別にいいじゃないか……向こうは俺の事友達だなんて思っちゃいないんだし」


……一体何なんだ?

彼女がいなくなっても、何とも思わなかった俺だぞ?


「これは……」


そう、ふとした時に突如として襲い来る感情。


今俺は……


淋しい。


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