罪線〜an imitation〜
そこから4〜5分程歩いただろうか。

シュウジの姿を最後に見た、大きなゲーセンの前に着いた。

……居るだろうか?


「居ないよな……」


居ないだろう。

解っている。シュウジは絶対に居ない。

が、確認するという行為自体に、特といった無駄はない。


「入ってみるか……」


まず俺が目を遣ったのは、シュウジがやりそうなクレーンゲームのフロア。


彼が彼女の為に時間を費やしていた、不細工なキャラのクレーン。

似た様な冴えない連中は見えるが、シュウジ本人の顔は無い。


「やっぱ居ないか……」


元々彼を探す為に来た訳ではないが、何かイライラする。


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