罪線〜an imitation〜
先程までプレイしていた高校生が、意気消沈して席を離れると、流石に続こうとする者は誰もいない。


「ここはレベルが低いな……」


出来たばかりのゲーセンでは有りがちな事だが、ここまでレベルが低いと、やる気が出ない。

帰ろう。

俺はくるりと振り返り、その場を去ろうとした。


……が、


「待ちなよ」


連勝中の男が俺を呼び止める。


「キミ、見た事あるな。相当強いだろ?座りなよ」


ハッキリ言ってやりたくなかった。第一レベルが違う。


そういう所で勝ちすぎると後が怖い。


しかし、先程のイライラをどこで解消しようかと考えていた所。


「……あぁ」


俺は誘われる様に席へと向かった。


これが悪夢の始まりになるとも知らずに……。


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