罪線〜an imitation〜
ある程度の確認作業を終えると、財布から取り出した硬貨を、卓上にある投入口に放り込む。

相手のゴツイキャラに合わせた訳ではないが、俺はスピードのある女性キャラを選んだ。そして……


……ゲーム開始。


俺は、ゲーム序盤で必ずやる事がある。

自分のキャラを前に寄せたり、後に退かせたり。

もちろん、ただ様子を見ている訳ではない。

挑発という、ゲームメイクには必要不可欠な行為。

たまに相手の届く範囲にまで寄せたりして、相手が手を出すのを待つ。

最初はあまり効果が見えないが、続けているとボディーブローの様に効いてくる。


ジワジワ……ジワジワと。


……ほら、掛かった。


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