罪線〜an imitation〜
「どうって……普通の人間が考える事だろ?」


すると、平岡の目が異様な輝きを放つ。


「そう!そうなんだよ!……でもね、一般的に普通と呼ばれる人間は、これを異常……キケンと呼ぶんだ。みんなどこかで同じ事を考えてるはずなのに。おかしいよね?不条理だよね?」


目を輝かせて言う事ではないが、確かに平岡の言う事に間違いはない。

行動にすれば犯罪になるが、欲求を口に出せば犯罪になるのか?

いや、そうではないはずだ。単に素直なだけだろう。


「ケンジ君。くだらない世の中だと思わない?」


「あぁ、そうだな」


「だからさぁ、変えちゃおうよ。ルールやモラル、そのものを」


世の中の根底……面白そうじゃないか。


俺の中に生まれた、安心と不安。その快感は、まだまだ止まりそうにない。


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