罪線〜an imitation〜
差し出された"それ"を、俺は空気を飲み込みながら受け取った。


「本気で言ってるのか……?」


「もちろん!本気だよ」


相変わらず無邪気に笑う平岡を見て、次第に恐怖を感じる様になる。

無邪気。

だが狂気だ。


「殺さないと言ったら?」


「さぁ?気分次第だけどね。……でも解せないなぁ。僕と同じ考えを持ちながら、何でそれを行動に移せないのか」


それは、そこに罪の線が引いてあるからだ。

18年……18年もルールやモラルに縛られて来たのだ。ここに来てそれが失くなったと言われても、今すぐ順応する事は出来ない。


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