罪線〜an imitation〜

第二の男

警察に抑えられ、中に押し戻された後、俺は手足を縛られ、頭部にだけ白い布を被せられた。

……これじゃまるで、他の二人と同じじゃないか。

俺に被せられたこの布は、死に装束を意味するのか、はたまた平岡の色に染まり易い"白"を意味するのか。

それは俺にも解らないが、どちらにせよ俺にとって良い方向には傾かない。

俺の考えが深くなる中、買い物に出ていた筈の平岡が、誰かを連れて帰って来た。


「ただいま。今日は君に僕の友達を紹介するよ」


そう言って、被された布を脱がすと、そこには目付きの鋭い短髪の男が立っていた。

その男のガタイの良さ、独特の雰囲気を見て、俺は瞬時に悟った。


「……柴田君だよ。僕にとっては友達。キミにとっては……」


この男は……ヤバイ。


「調教師……かな」


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