罪線〜an imitation〜
「ケンジ君。キミはねぇ、僕に屈辱を与えたんだ」


「屈辱?そんな覚えは無いね」


関わった事。それ自体が記憶にないから。


「ま、それも無理はないね。あれは三年くらい前、キミがまだ中学生の時だからね」


それなら尚の事。覚えてる筈がない。


「今僕達が行っているこの犯罪。それが始まったのもその頃なんだけど、当時僕も遣われの身でね……」


平岡が遣われの身……この男を操っていた奴も相当な人間だ。


「ある程度の生活は約束されていて、何不自由の無い生活を送っていたんだが、僕を含んだ三人の人間には、与えられた時間が少なかった」


「時間?」


「そう。当時僕らに与えられた自由な時間は、一日にたったの四時間だった」


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