罪線〜an imitation〜
「お前さぁ、自分の状況解ってんの?……あぁ、強かったね。悔しかったよ。その場で殺してしまおうかと思った」


それは実力の無い自分のせいだろう。他のせいにするのは不条理極まりない。


「でもな、それじゃダメだって思ったんだ。簡単に殺しちゃ、僕の受けた屈辱は払拭出来ない。だからいつまでも生かし続けてやるよ……重い手枷足枷を着けたままでな」


……俺は思った。もうここから二度と出る事は出来ないだろう。


「柴田。ストレス発散の時間だよ」


何故だろう。いつも腹が立って仕方の無かった父親、五月の蝿の様だったミカに会いたい。


もう戻れる事はないだろうあの日々に戻りたい。


「少し痛め付けてあげて。……見たいんだ……コイツが苦しむ姿を」



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