罪線〜an imitation〜

狂気に潜む涙

「……ハァ……ハァ……ぐッ!……」


あれから15分、柴田は俺を殴り続けた。

もう、何回撲られたかなんて覚えちゃいない。

……痛い。

身体中が痺れる様な感さえ覚える。


「柴田。殺しちゃダメだよ?あくまでも調教なんだからね」


「あぁ、解ってる」


平岡の一言で、柴田は手を止める。


……?


俺はその瞬間、意識を失いそうになりながらも、妙なモノを感じた。

何に対してなのかは解らない。しかし、一言で言うなら違和感。

平岡に対してなのか……柴田に対してなのか。それすらも解らないが……何かがおかしい。

まぁ、今起きているこの事態。その全てがおかしいのだから仕方のない事なのだろうか……。


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