罪線〜an imitation〜
「喜ぶんだよねぇ……彼女が」


ニタニタ笑うシュウジの顔を見ていると、何だか腹が立つ。

是非彼女とやらに言って聞かせてやりたいものだ。


「アンタにプレゼントしたその不細工は、人から巻き上げた金で手に入れた物だ」


……と。

今は自分の金で賄っているが、そのうち俺の金に手を出すんだ。


「ケンジ!わりぃ!」


ほらね。


「……あいよ」


と言いながら、金を手渡している俺は何者だろう。


時々自分でも解らなくなる。


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