罪線〜an imitation〜
「おう、アンタここによく来るのか?」


俺はそいつに声を掛けた。すると女は今にも崩れ落ちそうな声で言ったんだ。


「はい?……えぇ、まぁ」


もちろんその時は恋愛感情なんて持っちゃいねぇ。

じゃ、なんで声を掛けたりしたのかって?

そいつ、よく見ると結構可愛かったんだ。

可愛い女を見れば、仲良くなりたいって思うだろ?

そういう事だよ。


パチンコ屋って不思議なもんでさ、一回声を掛けちまったら、友達みたいに仲良くなれるんだ。

相手がジイさんバアさんでもな。


< 81 / 161 >

この作品をシェア

pagetop