罪線〜an imitation〜
……俺は、怯えきる女の顔を見て、メールの内容を思い出した。

この女を痛め付けてやらなきゃいけない。

本当は気が進むモンじゃないが、命令違反をすれば、自分もどうなるか解らないからな。


……しょうがない。


俺は戸惑いながら、平手を振り抜いた。


女は苦痛の表情に顔を歪めた。

まだまだ"痛め付ける"ってのには程遠い。

だから同じ事を何度も繰り返した。


……何かおかしいと思わないか?

どうせその女はこれ以上、逃げも隠れもできないんだ。

何故痛め付けなきゃいけない?

普通おかしいと思うよな?

だが俺は見ての通り、頭が悪い。

その時は何も気付いちゃいなかった。


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