図書室 。
突然の告白 。

慧が話し掛けてきた。

私は、目を再び本から離し、慧に

「何?」

と尋ねる。

すると、

「好き。」

とだけ言い、私を抱き締めた。

私の思考は一瞬にして停止した。

心臓がドクッ ドクッ と、いつもより早く鳴る。


そして、私は、我に返り慧を突き放した。

慧は一瞬悲しそうな顔をしたけどまたすぐに戻り、

「返事はまたで良いから。」

そう言い、図書室を出ていった。


私は、慧の悲しい顔を思い出すと、胸がチクリと痛んだ。

< 16 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop