図書室 。
転校生 。
ー朝ー
ガラガラッ…。
今日も騒がしい教室。
それぞれのグループに別れて色々な話で盛り上がる女子達。
昨日のサッカーの試合で盛り上がる男子達。
いつも通りの風景。
「紗枝ーッ!!」
入った瞬間、こっちに手を振り手招きをする女子。
小学校からの友達で、いわゆる『幼馴染み』の様なものだ。
「おはよッ、紗枝!!」
「おはよう、菜々子」
これも、いつもの風景だ。
…だが、何かが違った。
「そうそう、今日 転校生が来るんだって!!」
「へー…。」
『転校生』と聞いて、この前図書室で見た絵に描いた様な美少年が脳裏に浮かぶ。
(そういえば、あの人2年生だったよね…。)
と、思いキョロキョロしていると、
「紗枝ー?」
菜々子が顔を覗かせながら呼んでいた。
「…ぁ、ごめん。」
「もーッ、ぁ、でねその転校生めっちゃイケメンらしいよ!!」
「ふーん…ッ」
何気無く返事をしていると、
ガラガラッ。
「HRを始めるー。」
と言いながら、担任が入ってきた。
「と、その前に、転校生を紹介する。入れー。」