図書室 。
…そこには図書室で見たあの美少年が立っていた。
「南雲 慧です。よろしくお願いします。」
この前の眠そうな声とは違い凛とした通る声。
周りの女子達は何やらヒソヒソ話している。
多分、『彼』についてだろう。
(…確かにイケメンだよね。)
「じゃ、南雲は吉村の隣な。吉村、放課後校内を案内してやってくれ。」
「ぇ…。」
(図書室行こうと思ってたのに…。)
「…よろしく。」
いつの間にか『彼』は、隣に座っていた。
「改めてHRを始める。」
担任のそんな声も耳に入ってこず、
ただ、窓の外を眺めている『彼』を見入られずにはいられなかった。