図書室 。

ー昼休みー

「さーえっ!!」

「…ぁ、菜々子。どうしたの?」

「どうしたの?じゃないよーッ!!もう昼休みだよ!!」

「ぇ…。」

「ずっと、ボーッとしてどうしたの?」

「いや…。」


そういえば、ずっと『彼』ばかり見ていた。

今日の私は何かおかしい。


「紗枝、南雲君のこと好きになっちゃった?」

「ち、違うよッ!!」

(そぅ、絶対違う。)

「そっか…。ぁ、ご飯食べよッ!!」

「うん。」

私は、ご飯を食べながらこっそり『彼』を盗み見た。

やはり、『彼』は、女子に囲まれて人気の的となっていた。

そんな『彼』を私はただただぼんやりと見ているだけだった。
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