恋におちて
わたしは心の中でため息をつくと、すっかり冷めてしまった珈琲を口に含みゆっくりと飲み込んだ。
「そうね……一馬の浮気を知っても許してしまうくらいにはあなたと結婚したいと思ってたわよ。まぁ、それくらいの気持ちでは一馬には足りなかったみたいね」
一馬の顔には言い過ぎたと書いてある。
でもそれを言葉にできないことくらい知っている。
そしてわたしにどう動いて欲しいかっていうのも言わなくても分かってる。
そう、分かってしまうんだよね……。