姐御な私と無口なアイツ。
姉御な私と無口なアイツ。
それは、いつも通りの気持ちの良い朝……のはずだったのだけれど。
「やばい遅刻……!」
スマホの画面に表示される『8:07』という表示を見て、私は慌てて鞄を引っ付かむ。
そのままばたばたと玄関に駆け込み、その勢いのまま靴に足を突っ込んで扉を押し開けた。
慌ててマフラーを首に巻き付けながら、寝坊をした自分を恨む。
せっかく最近無遅刻だったのに……!と、慌てて履いてきたからだろうか、何歩か踏み出してすぐに、靴紐がもつれ、私はバランスを崩した。
わわっ、転ぶ……!
< 1 / 40 >