姐御な私と無口なアイツ。

「……涼介……宅急便……」



と、またも聞こえてきた小さな寝言に、俺の思考は遮られる。



……宅急便？



待ってくれ、こいつの夢の中で、俺一体どんなことになってるんだ？



俺が見守るなかで、麻奈は眉根をよせて小さく唸っていたが、やがて安心したようにふう、と息を吐く。どうやら宅急便は解決したのだろうか。



「……っ！」



と、今度はもぞもぞと体勢を変え始めた麻奈が、俺の肩に頬をすり寄せてきた。



「……ふふ……」



満足げに笑うような寝息をたて、ようやくその体勢で落ち着く。



…………駄目だ。可愛すぎる。




麻奈の頬が触れている肩が、熱い。



こういう夢を見ている自分というのはかなり気持ち悪いと思うのだが、もう知らん。限界だ。



いつになく素直な寝顔を預けてくる彼女を見下ろして、上気した頬をごまかすようにもう一度息を吐いた。