姐御な私と無口なアイツ。

ところが昨日、『どうしよう、怒らせちゃったかも……』という、すごく心細そうな声で電話がかかってきたもんだから、私は三時間ほど、それに付き合ってあげてたのだ。


話を聞いてみたら喧嘩でもなんでもない、ただの情報のすれ違いのようなものだったんだけど、それでもやっぱり心配する。


……実際、今日の遅刻の原因は、その電話の影響の睡眠不足にあったりしなかったり。


電話のあと、課題を思い出して慌ててやったのだ。


……でも、それは言わない。それは、課題をやってない私の責任でもあるもの。


「麻奈のアドバイス、いつも本当助かってる!ありがとう!」


にこっと、葉月に満面の笑顔で言われ、私は若干引きつった笑みを返した。


「わかるわかるー、なんかさ、頼れるよね!」


そこに、私たちと仲の良い水浦有紀も入ってきて、葉月に同調する。


「いやいや、大したことないって」
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