301号室、302号室、303号室
・・・・・・・
「・・・・はっ!」
気が付くと、泣き疲れたのか、体育座りのまま、眠ってしまっていた。
時計を見るまでもなく部屋の中は真っ暗で、その時間の流れを知る。
まずい。
私としたことが、一日を無駄にしてしまった。
泣いたせいで目が腫れぼったいのは、鏡を見なくても分かる。
一応、顔というのは商売道具だ。
明日までになんとかしないと・・・また事務所の人に怒られてしまう・・・
冷やそうと立ち上がり、水道へ向かう最中に、部屋のドアを叩く音が耳に入った。
ドンドンドンッ
「すいませーん、宅配便でーす」
たく・・はい・・びん・・・?
チャイムあるし、そんな強く叩かんでも・・・
びっくりする。心臓に悪い。
それにしても、私何か注文したっけ。
それとも、毎年実家から送られてくるインスタント麺や缶詰めの詰め合わせか?
でもおかんさっき何も言ってなかったよな・・・・
なんか、怪しい・・・