301号室、302号室、303号室




躊躇する余裕もなく、便器に顔を突っ込む。



うぇえ・・・・



何度嗚咽を繰り返しても、胃液や唾液ばかりが吐き出されるだけだった。

口の中が余計に気持ち悪い。

それに、吐き気も治まる気配がない。
冬なのに、額には脂汗が滲んでいる。

五分ほど粘ったが、だめだ。
更に頭が痛くなってきた気がする。

諦めよう。


ふらつく足のまま、水道へ。

水を飲めば楽になるとよく聞くし、試してみるか。


グラスに水を入れ、最初の一杯目で気持ちの悪い口をゆすぎ、並々入れた二杯目は、一気に飲み干した。


・・・・ふう、


吐き気は少し、楽になったかも・・・・



もう一度横になろう。
吐き気が治まったら、今度は目眩がしてきた。

それに、寒くて死にそうだ。

こんな時は、布団の中でじっとしとくのが一番だ。

つか、なんでこんな真冬に俺、Tシャツにトランクス姿なんだよ。
風邪引くっつーの。


うう、さむい・・・・


両腕で腹を押さえて、縮こまりながら元居たベットへ。




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