301号室、302号室、303号室




12月23日の夜。
つまり、昨夜。

私たちは、大学のサークルの飲み会に参加した。
それは、クリスマスパーティーという名目のただの飲み会で、あまり乗り気ではなかった私に反して、亮太は終始ノリノリだった。

強くもないお酒をたくさん飲まされて、後半は全く記憶がない。

どう家に帰ったかというのも、覚えてない。

目を覚ましたときには、記憶がなくなるまで飲んでしまったという絶望感と、自己嫌悪に襲われた。

しかも、私の隣に寝ていたのが彼氏である亮太ではなく、何故か昨晩同じ飲み会に参加していた三木くんだったときには、全身から血の気が引いていくのが分かった。

至近距離で寝息を立てる三木くんは、ずっと見ていたくなるほど、綺麗な寝顔をしている。

うちのサークルの中でも、整った顔立ちで、女子からの人気は圧倒的に高い。

その、クールで物静かな雰囲気がまた良いのだろう。

彼氏がいる私が言うのもなんだけど、顔だけは超絶タイプだ。

ただ、中身はどんな人なのか知るほど話したこともそんなにない。
そんな三木くんと二人っきりにされて、どうすればいいわけ?



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