Eメール
不思議な感覚だった。俺はまるでポストに吸い寄せられるかのように手を伸ばし…ゆっくり…ポストを開けてみる。






そこには……《携帯電話》が入っていた。

見たことねぇ型だな…。少なくとも俺のじゃねえ。

深い紺色をした携帯電話はとても魅力的で、俺は触れずにはいられない位ウズウズと体が疼く。


触れようとした時…


突然携帯電話は震え出す!!

「うおっ!?……?……??」

震えはいつまでたっても止まない。
俺に出ろって事か?

恐る恐る電話を持ち、通話ボタンを押して耳に当てた。


「…………………………………もしもし?」


いつまでたっても応答はない。

ちっ!嘘だろ?いた電かよ!面倒くせえ!


電話を投げ捨てようとした時、その振動の正体はアラームだった事に気が付いて更にイラつく。

ちっ!うぜぇな…。誰の携帯か調べてやる!
メインディスプレイには『Eメール』一件が届いていた。

「…………。」


黙々とそのメールを開く。




『はろー。霧島純也君。私はマコトです。よろしく。』



とても気持ちの悪い冗談だった。
俺の中の知り合いに“マコト”なんて奴はいない。

< 3 / 20 >

この作品をシェア

pagetop