Eメール
壊れたレコードのように繰り返される言葉はプツンと途切れた。
声はボイスチェンジャーか何かで変えているため肉声は分からない。あの…よくあるガラス越しにしゃべっている人みたいな声だ。


携帯の振動でボーとしていた意識が戻り我に返る。


『最後のチャンスだよ。君は僕を信じればいい。今から部屋に戻ってジッとしているんだ。その中に生への道が開かれる。』



くそったれっ!!
ふざけやがって!?

俺は立ち上がろうとすると足下がふらつき壁に大きな音を立ててもたれる形になった。

…おい………。



おいおいおいおいおいっ!!!!!
マジかよ……!

俺はマコトの言葉を思い出していた。

《その薬はねぇ…だんだん…頭が痛くなってくるんだ。そしてめまいがして足取りがフラフラしてくる…。》


正に今がそうだった。頭はそこまで痛くなかったがおそらくこれは初期症状なんだろう。

全身に冷や汗が湧き出る。
迂闊だった。安易にビールなんか飲むんじゃなかった!!

こ…こんな状態で部屋の中でじっとしてろだ!?
なんだ?宅配便で解毒剤でも送られてくるわけか!?
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