少年Kと少女Sの奮闘記
告白
「今の話で草野が思っていた通りに最低なやつだと私は思った。」
「もう、ここからが恋の始まりなの…!」
さて、かくして草野君との接点ができた私ですが。
日を改めていく内に、どうせ逃げられないのならば仲良く寄り添うことに決めた。
清掃活動が始まって1週間が過ぎた頃、
いまだに名前すら知らない草野君に自己紹介をしました。
「今更かもしれないけれど…1-Aの新原です。」
「1-E草野です。…そこ、ゴミ落ちてるから。」
「……は、はい。」
顔だけ見ていれば本当に格好良いんです。
太めの黒縁眼鏡はお洒落なわけでもなさそうなのにお洒落に見れるところとか、ちょっと癖のある黒髪スタイルとか、少し身長は理想の高さには届いていないけれど私よりは確実に高い背とか。
芸術系に近いけれどひ弱には見えないようなやや肩幅のある体型とか…
「って、違う違う。」
「あ?……いいから取れよとっとと。」
「は、はい…。」
王様のような押しの強い口調とか。
なんて、苦手だというのにこんなに事細かに草野君を見てしまうようになったのには原因があったんです。